豚肉ができるまで。ブタの種類・役割・その一生について解説!その1【肉豚編】

こんにちは。
今日は豚肉ができるまでの流れをご紹介していきます。
エサの会社に勤めていたので、エサの話が若干多めになるかもしれません(笑)

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畜産の世界はリアルな現場が分からない

ブタさんって、なんとなく養豚場で育てられて、出荷されてお肉になってるんだろうな~というイメージはあると思いますが、その過程については詳しく知らない人が多いはずです。
私は大学の実習や仕事で養豚に関わることが多かったので割と知っていますが…。

畜産って割と閉鎖的な世界なので、リアルな話はネットで調べてもあまり出てこないかもしれませんね。

また、畜産というと必ずと言っていいほど、ブタさんが殺されるのはかわいそうとか、動物虐待だとか、そういう否定的な意見が沢山あると思います。

ただ、今回は倫理的な話は抜きにして、ブタさんが養豚場でどうやって産まれて育っていくのか、そして出荷までの流れなどを大まかにご紹介します。
まずは事実を知りましょう。

倫理的な事に関しての私の考えは、またの機会にお話ししますね。。。

全ての豚がお肉用という訳ではない!

まずは豚の種類についてのお話。

ひと言で“豚”といっても、養豚場ではそれぞれちゃんと役割を持った豚がいるんですよ~。
もちろん、お肉をより美味しく、そして効率良く生産するためです。

豚の種類は大きく分けると、肉豚(にくとん)と種豚(しゅとん)の2つになります。
種豚はさらに、性別ごとに母豚(ぼとん)と雄豚(おすぶた)に分けられます。
(養豚場の人は雄豚を種オスと言ったりすることもあり、呼び方は色々です)

私たちが普段口にしているのは肉豚(にくとん)と呼ばれている若い豚です。
また、母豚(ぼとん)肉豚を産ませるための豚です。
そして、雄豚(おすぶた)は精子を採るためだけの豚です。

↓の図に簡単にそれぞれの豚の役割をまとめました。
ペンタブを買ってようやく何だか分かる絵が描けたので、ここでお披露目しておきますヽ(^o^)丿

品種はLWDを前提にしてイラストを描いてます。
品種については詳しくこちらでお話していますのでご参考に。

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肉豚・母豚・雄豚、それぞれ詳しく解説していきましょう。

肉豚の一生

誕生

豚さんの一生のはじまりです。

母豚から数時間かけて全ての子豚が1頭ずつ産まれてきます。
一回の分娩で産まれるのは12~18くらい。
以前は10頭前後でしたが、品種改良により繁殖成績が向上したため子数が年々多くなっています。

また、十数年前までは死産を出さないように養豚場の従業員さんが一晩中分娩舎にいて、産まれてくる子豚を引っ張って出したりと分娩の補助をしていたようです。
しかし最近では、養豚場の大規模化による労働条件の向上や、品種改良により産仔数が増えたため、夜の分娩補助はなくなったところが多いようです。

産まれた子豚たちは、早速母乳を飲むため目が見えないながらも一生懸命おかあさんブタのおっぱいを探します。

乳首は14個くらいあるのですが、おかあさんの頭に近い程母乳が沢山出ます
小さいうちに沢山母乳を飲んだ子豚の方が成長が速くなります。
つまり兄弟同士で戦争ですね。
そして初めて母乳を飲んだ場所がどこかで、子豚たちの力関係がほぼ決まってしまうのです。

お尻側にある乳首から飲んでいたり、母乳の位置が分からずにうろうろしている子豚は負け組。
自然界では死んでしまう運命にあります。

しかし、養豚場では一頭でも多くの子豚を出荷するため、強い子豚を別の場所に移したり、小さな子豚を人工的に作った人工乳(人間の粉ミルクとほぼ同じ成分です)を与えたりします。

母乳やお水を飲みながら兄弟たちとじゃれ合って、よく寝て、、、そんな生活は3週間くらい続きます。

この間に、今後病気にかからないように注射でワクチンを接種します。
また、オスは生後3~7日後に去勢をします。

どうしてブタに去勢をするの?

去勢をせずに精巣がついたままブタが成長していくと、豚肉が臭くなったり固くなり、味が落ちてしまうからです。
また、男性ホルモンの影響で闘争心が芽生え、攻撃的になったりするのを防ぐためでもあります。

余談ですが、私も養豚場で去勢したことがあります。
とっても痛そうでした。
そしてよほど怖かったのでしょう、おしっこをかけられて申し訳ない気持ちになりましたm(__)m

離乳

養豚場では、約3週間前後で離乳します。
つまり、母乳を卒業しておかあさんブタと離れ離れに育てられるということです。
自然に母乳をやめるという訳ではなく、人為的に子豚を母親から離して配合飼料に慣れさせていきます。

離乳は分娩舎から離乳舎という別の建物に移動させておしまいです。

でも、さっきまで母乳を飲んでいた子豚たちにいきなりエサだぞ!食べろ!と言ってもできないですよね?
人間の赤ちゃんが離乳した後にまず離乳食を食べるのと同じです。
子豚たちも同じく、脱脂粉乳などの乳製品を少量混ぜたエサを与えられ、すこしずつエサを食べることに慣れていきます。

移動・成長~出荷

子豚たちは配合飼料に慣れ、エサを食べ始めると、あっという間に大きくなっていきます。

生後約3週間で離乳でしたね?
日々どんどん体も大きくなっていくので、段々と部屋が狭くなってきます。
そこで、生後10週間前後で肉豚舎という更に大きな部屋がある建物に移動させられます。

肉豚舎へ移動した後も、毎日ガツガツと食べ続けます。
産まれたときは1.5kg前後だった小さな子豚たちも、5~6ヶ月で100kg以上に成長するんですよ。
出荷間際の豚が一日に食べるエサの量はなんと約3kgです。すごい。

お肉として出荷されるのは、大体生後5~6ヶ月後になります。

基本的にはブタを運ぶ専用のトラックに載せ、と畜場まで持っていきます。
その後は電気ショックで気絶後、と殺され枝肉に解体、お肉となります。

エサに含まれる抗生物質について

産まれてすぐの子豚や、離乳してしばらくは抗生物質が含まれているエサを与えているところが多いですが、どこの養豚場も出荷の2ヶ月程前からは抗生物質は一切含まれていないエサに切り替えるようになっています。
これだけの期間があれば、お肉には移行しないことが科学的に証明されているのです。
また、注射も出荷前は一切行いません。

これは自主的取り組んでいるのではなく、法律で定められており、定期的に検査もされています。

メディアや良く分からないサイトで、“肉に含まれる抗生物質が危険!”と不安を煽る表現をしていますが、お肉には一切抗生物質が入っていませんのでご安心ください。
(そもそも抗生物質って、熱が出た時や病気になった時に私たちも処方されてるんだけどね)

詳しく知りたい人は農水省のサイトで色々読んでみて下さい。

長くなってしまったので次回に続きます。

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