卵の黄身について。~色が濃いと味も濃い?~

卵のこと

こんにちは!

最近このサイトを読んでくれてる人が増えたみたいで、すごく嬉しいです:)

私は粋な言葉は思いつかないけど、こういう説明的な文章を書くのは大好きなので、楽しみながらやっていきます(^^)/
今日は卵の黄身についての豆知識をお届けします。

黄身の濃い卵は美味しい?

スーパーに行くと、「白たまごM10個入り」といった普通の卵以外に、

「ビタミンEたまご」や「滋養卵」など、
何だかかっこよさげな名前の卵を沢山見かけませんか?

業界では、名前のついていない卵は「一般卵」
と呼ばれているのに対して、これらの卵は
「ブランド卵」や「銘柄卵」と呼ばれています。

そして、ブランド卵の多くが一般卵よりも
黄身の色が濃いですよね。

「黄身の濃いブランド卵」を楽天で検索するとこんなに沢山でてきます↓
http://search.rakuten.co.jp/search/mall/%E9%BB%84%E8%BA%AB+%E3%81%8C+%E6%BF%83%E3%81%84+%E5%8D%B5/

 

そして皆さん、なんとなく「黄身が濃いと味も濃厚だから美味しいよね!」と思ってたりしません?

 

…実は残念ながら、卵の黄身の色と味は何の関係もありません

黄身の色はエサに含まれる色素の量で決まるんです。

 

黄身の色を決めるもの

黄身の色は、主にエサに含まれるトウモロコシやパプリカ色素、マリーゴールド花弁粉末などによって濃くなります。
日本の卵の黄身は、一般卵でさえも海外の卵に比べるとすごく濃いんです。

海外の採卵鶏向けのエサにはパプリカやマリーゴールド由来の色素はほとんど含まれておらず、黄身の色はトウモロコシのみによって出されています。

それがこちら。

え!!大丈夫!?っていう薄さですよね。
もはや白に近いというか。

海外ではこれが普通です。
ヨーロッパではトウモロコシの代わりに小麦をエサにしているところもあるので、そういう卵は黄身が真っ白なんですよ〜。
日本人からすると不気味かもしれませんね。

ちなみに日本でも、マヨネーズの原料になる卵は、キューピーなどのマヨネーズを作る会社から真っ白な卵をください、と言われているので、マヨネーズ専用卵としてトウモロコシや色素ゼロのエサを与えて卵を出荷しています。

それと、ネットで「黄身の色を濃くするために、鶏にとって不健康な色素を無理矢理食べさせている!」という記事を見かけましたが、無理矢理口に突っ込んでる訳でもないし、色素が鶏にとって有害と言う訳ではないので誤解されませんように。

大量のパプリカ色素を被ると目が痛くなったりするので、程度によりますけどね。
鶏のエサには1%以下、ごく少量なので、そんなことはまず起きません。

簡単に言えば食紅みたいなものでしょうか。
また、パプリカ色素は知らず知らずのうちに食品に含まれていて、私たちも普通に食べています。

実はこれらの色素、すごく高価なんですよ。
養鶏場はわざわざ高いお金を払って黄身を濃くしているということになりますね。

 

黄身の色の濃さを決める規格がある

ところで皆さん、
「カラーファン」という言葉をご存じですか?

カラーファンとは、卵の黄身の濃さを数値化した指標です。
正式には「ヨークカラーファン」。

下の画像のように、15段階で黄身の色を定義して、黄身の色の規格を決めて卵を作りましょう、というものです。

yolkfan

色が濃いほど数字が大きくなります。クリックするとDSMのサイトに飛びます

この指標は基本的に世界中どこにいっても共通ですが、日本のように厳格にカラーファンの数値を決めて卵を出荷している国は少ないと思われます。

ちなみに、2016年にカラーファンに新しく16という数値が追加されました。
濃い黄身への需要が高まっていることを受けての対応かもしれませんね。

 

黄身色の調整方法

養鶏農家さんが、「うちの卵はカラーファン13で売り出そう!」と規格を決めたとします。

じゃあどうやって規格に合わせるの?と言いますと…

エサ屋さんのがんばり所です。笑

先程写真で見て頂いたように、トウモロコシだけではほとんど色を出せません。

そこで、各飼料メーカーでパプリカ色素やマリーゴールド花弁抽出色素をこれだけの割合入れたらカラーファンがいくつになる、という計算式を作り、養鶏場から指定された数値に合うようエサの中に色素を入れるのです

この計算式、鶏1羽あたり1日何g食べるかを予想して算出しているので、夏の暑い日などに鶏が全然エサを食べなくなったりすると、黄身の色も薄くなってしまいます。

夏場は特に、
「ちょっと!黄身の色が薄くなってきたからすぐに色素増やしてよ!」
と養鶏場からクレームが入ることが多く、すぐにエサの配合内容を変えなければいけません。
この作業がものすごく大変で、研究職や生産管理職の方は夏バテ以上にげっそりしてました。。。

エサ屋さんは気温や各養鶏場の飼育環境も予想しないといけない、案外大変なお仕事です…。

すみません、個人的な意見が入ってしまいました(笑)

 

まとめ

今日のお話をまとめますと、

✔卵の黄身の色と味については何の関係もない

✔卵の黄身の色の濃さを数値化した「カラーファン」という指標がある

✔黄身の濃さは鶏の食べる量やエサの中に含まれるトウモロコシや色素の割合で決まる

✔日本の鶏卵業界による「黄身の濃い卵は味が濃そう、美味しそう」というイメージを持たせ、高いエサを与えて高い卵を買ってもらう作戦なのかも

といったところでしょうか。

そもそも、日本の卵の小売価格はヨーロッパなどの欧米諸国に比べると非常に安いので、生産者が生き延びるための作戦なんでしょうね。

今度はどんなブランド卵なら美味しいのか、という話も書いてみたいですね〜。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!
それではまた!

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