こんにちは。ぽてっちです。
今日は久しぶりにお肉の話題です!
同じ部位でもお肉の色が違う?
スーパーの精肉売り場でお肉を眺めていると、部位が同じでもお肉の色が微妙に違うことがありませんか?
例えば、鶏肉。
同じ「もも肉」でも、産地やブランドによって白っぽいピンク色だったり、黄身がかった色の濃いピンク色だったり。
私がよく思うのは、
「ブラジル産の鶏肉、めっちゃ黄色くない!?」
です。
これは最後に解説します!
また、豚肉の場合でも同様に、同じ「ロース」でもピンク色だったり黒っぽい赤色のお肉があったりしますよね。
たとえばこんな感じ。
育て方?品種?解体の仕方?
一体どうしてでしょう。
今日はその謎について解説していきます!
お肉の色って何の色?~お肉を構成するもの~
まずはお肉の基礎知識について簡単に知っておきましょう。
お肉を構成している体の組織は、主に「筋肉」と「脂肪」の2つです。
基本的にこの2つが色味や締まり具合といった「お肉の見た目」の決め手となります。
ではひとつずつ解説していきましょう。
筋肉
お肉の赤は赤身、つまり筋肉の赤です。
赤身がなぜ赤いかというと、筋組織を構成している筋細胞には「ミオグロビン」という赤い色素が含まれているからです。
決して血がついているから赤いわけではありません。
そして、筋細胞はさらに「即筋(白筋)」と「遅筋(赤筋)」の2種類に分類されます。
即筋(白筋)は酸素の消費量が少なく、瞬間的な運動に適した筋肉です。
遅筋よりもミオグロビンの量が少ないので、見た目は白っぽくなります。
カレイやヒラメなどの白身魚はこの即筋が多いので、身が白いという訳ですね。
一方、遅筋(赤筋)は酸素を使用しながらゆっくり収縮する筋肉で、持久力があるのが特徴です。
遅筋にはミオグロビンが多く含まれています。
ミオグロビンは血液中の酸素を受け取り、筋細胞内に貯蔵する役割があります。
マグロやカツオなどの赤身魚って、一日じゅう泳ぎ回っていますよね?
彼ら回遊魚の筋肉のほとんどはこの遅筋で構成されているので、身が真っ赤に見えるという訳です。
動物の場合は、解剖して見ても遅筋と即筋の違いは魚ほどハッキリとは区別が付きません。
また、即筋と遅筋の割合は動物種や部位、生育環境によって異なります。
即筋も遅筋もトレーニングをすることで筋肉量を増やすことが出来ます。
いわゆるダンベルを持ち上げまくって鍛えたモリモリマッチョの人は、瞬間的に力を使って筋肉を鍛えているので当然即筋が多くなります。
ダンベルマッチョ=白身魚と覚えておいてください。
脂肪
そして、ダイエットの大敵でありながら至高の旨味を持つのが!
そう、脂肪です。
脂肪組織は体内では主に皮下と内臓に含まれます。
今日はお肉の話なので内蔵脂肪については省略しますが、このほかにも筋肉内に脂肪組織ができることがあります。
筋肉内脂肪、いわゆる「サシ、霜降り」というやつですね。
脂肪組織は食生活(食べたものや生活リズム)の影響を非常に受けやすく、食べたものの色素が脂肪に移行することがあります。
お肉の色を決める要因
さて、それではメインの話題である「お肉の色を決める要因」についてお話ししていきます。
お肉の色を決める要因は、主に2つ。
ズバリ、品種とエサです。
順番にいきましょう。
その1:品種
実は、家畜は品種によって筋肉量や脂肪の割合、また脂肪の分布具合にもかなり違いがあるんです。
例えば豚肉の場合、先程ご紹介した「ミオグロビン」が多ければ筋肉の色は赤っぽくなるし、少なければ白っぽいお肉になります。
ついでにいうと、冒頭でご紹介したロース肉の写真。
2つ並んでる方のお肉、やたらと赤黒いですよね?
実は、お皿に乗っている方が一般的な三元豚で、もう一つは「白金豚」と呼ばれる、黒豚の遺伝子が入った豚肉なんです。
黒豚(バークシャー)の遺伝子はミオグロビンが多いという特徴があるのですが、さすがにこんなにも違うのは驚きですよね。
その2:エサ
実は、エサの中に含まれる色素が脂肪組織に移行することが分かっています。
つまり、食べたものの色が脂肪の色になるということですね!
(一部移行しない色素もあります)
具体的には、家畜のエサの中に含まれるトウモロコシ。
トウモロコシに含まれる黄色い色素が消化管で吸収されて、体内の脂肪組織に蓄えられます。
お肉の脂肪が真っ白ではなく、よく見ると少しだけ黄色いのはこのためです。
ちなみに、卵の黄身の中にも脂質が含まれているので、そこに色素は移行しています。
つまり、ニワトリの卵の黄身にもトウモロコシ由来の色素が含まれているんです!
その他:生育環境
上の2つ程ではありませんが、生育環境もお肉の見た目に影響します。
例えば、生まれて間もない頃に栄養不足だと、骨や内臓の成長が不十分な状態で止まってしまいます。
そして、その後はどれだけ沢山食べても筋肉にはならず、脂肪として蓄えられてしまうのです。
また逆に、出荷間際に栄養不足に陥ると、皮下脂肪が薄くなります。
そしてそのうちに筋肉量も減ってガリガリになってしまいます。
やっぱり、健康に育ったお肉が一番美味しいのです。
正確に言うと、生育環境によってお肉の質はかなり変わります。
ただし、そこまで質の悪いお肉がパック肉として出回る事はほとんどないのでこのような表現にさせて頂きました。
例えば背脂が厚すぎる、あるいは薄すぎる規格外の豚肉は等外という格付けをされ、非常に安い値段で引き取られていきます。等外のお肉はミンチやハム、ソーセージなどの加工品に回るので、スライス肉として出回る事はほとんどないでしょう。
ブラジル産鶏肉が国産より黄色い理由
タイトルの答えを言ってませんでしたね。
ブラジル産の鶏肉が国産の鶏肉と比べて黄色っぽく色が濃いのには、ちゃんとした理由があります。
それは、「食べたトウモロコシの産地の違い」にあります。
日本国内で育てられたブロイラーのほとんどは、主にアメリカから輸入したトウモロコシが含まれたエサを食べています。
(まれにブラジル産も輸入していますが、年間を通してほとんどがアメリカ産です)
アメリカの飼料用トウモロコシの粒は、薄い黄色をしています。
一方ブラジルのブロイラーはと言うと、自国で生産したトウモロコシを食べて育っています。
ブラジルやアルゼンチンなどの南米では、アメリカ産に比べると色素の量が多く、色が濃い品種のトウモロコシを生産しています。
つまり、ブラジル産のニワトリの方が、黄色い色素をたくさん摂取しているからお肉も黄色くなる、ということですね!
ちなみに、ブロイラーは世界中ほとんど同じ品種のニワトリを使用しているので、品種によるお肉の色の違いはほとんどありません。
また、色素量による味の違いはありませんが、トウモロコシの種類によって脂肪酸組成も異なるので、においに対しては多少の影響はあるかもしれませんね。
お肉の味については以下で詳しくお話ししているので、よければ参考にしてみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それではまた!
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