豚肉ができるまで。ブタの種類・役割・その一生について解説!その2【種豚編】

こんにちは。ぽてっちです。

今日は前回の続きです。
まだお読みでない方はこちらからどうぞ。

こんにちは。 今日は豚肉ができるまでの流れをご紹介していきます。 エサの会社に勤めていたので、エサの話が若干多めになるかもしれません(笑...

おさらいとしてもう一度この図を貼っておきますね。

前回は主に、豚肉になる豚(肉豚)が産まれてから出荷されるまでの流れについてご説明しました。

今日は母豚・雄豚編です。
それでは母豚から説明していきますね。

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母豚について

母豚(ぼとん)とは、私たちがスーパーや飲食店で「お肉」として口にしている肉豚を産ませるための豚のことです。

品種改良が日々進んでおり、一度に産まれる子豚の数が十数年前は10頭前後だったのに対し、現在では15頭程、多い時には20頭近く産まれるようになりました。
より多くの子豚をお腹に宿すために、胴が長くなり大型化し、母乳の出る量も多くなっているそうです。

母豚のライフサイクル

母豚の一生についてご紹介していきます。
母豚のライフサイクルは、基本的に以下の

  • 種付け
  • 分娩
  • 離乳

の3つのステージの繰り返しです。
下の図にまとめてみました。

クリックで拡大できます

それでは順番にご紹介していきます。

種付けとは、人工授精や雄豚との交配で母豚を妊娠させることです。
人工授精の方が妊娠する確率が高く、簡単に効率よくできるので、今ではほとんどの養豚場が人工授精で種付けを行っています。

分娩は名前の通り子豚を出産することです。
豚は妊娠から分娩するまでおよそ114日かかります。

母豚は基本的に上の写真のような、母豚専用の豚舎(種豚舎、妊娠種豚舎などとよばれます)で飼育されているのですが、分娩の約1週間前からは分娩専用の豚舎(分娩舎)に移動されます。

離乳は前回肉豚編でも出てきたとおり、母豚と子豚を別々の部屋に移し、子豚に母乳を卒業させることです。
母豚は離乳後再び妊娠種豚舎に戻され、離乳の約5日後に再び種付けを行います。
以下はまた分娩、離乳、種付け、、、という繰り返しです。

母豚になるまではどうやって育てるの?

母豚は、基本的には肉豚として育てられる子豚たちの中から選抜されます。

どの段階で選抜されるかについては養豚場によって異なりますが、大体産まれて2ヶ月後くらいには別の部屋で母豚候補として飼育しているところが多いようです。

母豚にはたくさんの子豚を産んでもらうため、病気に強く、足腰が丈夫で性格も穏やかな豚が選抜されます。

生後6ヶ月後くらいからは、エサも脂の少ない母豚専用の飼料に切り替えます。

母豚として子どもを産めるようになるのは生後7~8ヶ月後くらいからで、その頃に初めての種付けを行うのが一般的です。

母豚はどこから調達するの?

母豚は肉豚から選抜されるのは分かった。
でも、そうは言っても最初はどこかから調達してくるんだよね?どこから?
と気になったマニアックな方向けにご説明しておきます。

実は養豚場へ母豚を販売するための会社があるんです。
一般的には種豚会社、種豚メーカーなどと呼ばれていて、雄豚の販売も合わせて行っています。
母豚を産む豚のことは原種豚といい、さしてさらに原種豚を産む豚もいて、それは原原種豚と呼ばれています。

昔は母豚も一頭一頭購入している農家さんが多かったですが、購入費用も高いので、今は自分の養豚場で肉豚になる豚の中から選抜している養豚場が多いです。
大規模な養豚場の場合は、原種豚も自家農場で育成しているところもあります。

母豚は年をとったらどうなるの?

先ほどご説明したとおり、母豚のライフサイクルは「種付け」「分娩」「離乳」の繰り返しでした。
では、どのくらいこれを繰り返すのでしょうか?

一般的には、母豚は7~8回出産したら繁殖成績が落ちてくるのでお肉として出荷されます
年齢でいえば、約3~4歳ですね。

しかし出荷するといっても、年をとるとお肉が非常に硬くなるため、我々がバラ肉やロース肉など、「お肉」として食べているものとしてはほとんど出荷されません。
ミンチ肉やハム、ベーコン、ソーセージなど、加工用のお肉として出回っています。

また、母豚は体が大きいので、規格外として通常の豚肉よりも安い価格で買い取られていきます。
このような大きな豚は大貫(たいかん)と呼ばれています。

雄豚の一生

最後は雄豚についてのお話です。

雄豚の役割は何かというと、ズバリ「良い精子を母豚に提供すること」です。

良い精子とは、「美味しくて丈夫で成長の早い豚が生まれる、優秀な遺伝子を持った精子」ということになりますね。

子豚の持つ遺伝子のうち、半分が雄豚なわけですから、当然雄の遺伝子構成も重要になってきます。
そのため養豚場では、自分の農場で育てるよりも、種豚会社から徹底的に品種改良された雄豚を購入しているところが多いです。

母豚との交配について(人工授精)

雄豚と母豚交配については、母豚の種付けの項目でもご紹介したとおり、最近では交尾をさせるよりも人工授精を行うのが一般的です。

雄豚は数日から1週間一度、定期的に精液を採取され、それをカテーテルを使用して母豚に注入します。
1頭の1回分の精液は、緩衝液で薄めて5~10頭の母豚に使用することができるので、わざわざ交尾させるよりも効率が良いんです。

また、雄豚は体がとても大きく、大きい個体だと体重が350kg以上あるものもいます。
しかし、若い母豚は250kg程。
交尾をさせると雄豚の重さで怪我をしてしまうこともあるので、そういった面でも安全と言う訳です。

雄豚は年をとったらどうなるの?

雄豚も母豚と同様、年をとったら大貫出荷されていきます。

しかし実は、オスの豚は若いうちに去勢をしておかないと臭くて食べられたものではありません
したがって、私たちがスライス肉やブロック肉として口にすることはまずありません。

基本的にはハムやソーセージなどの加工用でしょうね。

ちなみに余談ですが、ヨーロッパの一部の国ではアニマルウェルフェアの観点から豚の去勢が禁止されています。
つまり肉豚も去勢をしないまま飼育するということです。

となると、臭い豚肉にあたる確率が高いと思います。
確率的には約50%ですね。
まあ、ヨーロッパは日本のようにしゃぶしゃぶや炒め物にして食べることがほとんどなく、ソーセージやベーコンなどの加工品にしてしまうので、それほど問題にならないのかもしれません。
日本だったら苦情ものですね。

おわりに

いかがでしたか?

普段あまり知ることのない豚さんたちの一生でした。

私たちが何気なく食べている豚肉が、こんな過程を経てできているんだな~ということで、畜産の世界を少しでも身近に感じて頂ければ幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。
それではまた。

参考サイト

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