こんにちは。
少し前になるのですが、珍しい卵に出会ったのでご報告。
ちなみに全然縁起が良いものではありません(笑)
Twitterにはその日のうちに投稿したので、既に知っている方はごめんなさい!
ゆで卵をむいてみたら…
とある日のこと。
リフォームでのキッチンの品番を決めるために夫とショールームに向かう途中、素敵なカフェを発見。
時間はお昼近かったのですが、12時までモーニングをやっているとのことだったので、飲み物と一緒にモーニングセットを注文しました。
アイスティー、トースト、サラダ、ヨーグルト、そしてゆで卵。
これで400円!
ほんとにモーニングはありがたいですね。
いただきまーす!
もぐもぐ。ごくごく。
美味しいね~
そんな時、ゆで卵の殻をむいていた旦那が突然、
「うわ、なんだこれ」と発言。
「なんやねん」と言って見てみると、殻の内側にこんな黒い点々がありました。
確かになんじゃこれ!
殻の裏面に黒い点がいくつもありますね。
そして黄身も普通なら外側が灰色に近い黄色のはずなのですが、なんだか今日のは茶色い。
黒い点をまじまじと見てみると、、、おそらくカビですねこれは!
カビているのが殻だけとはいえ、黄身の色も明らかにヤバそうなので、食べずに帰りました。
帰って調べてみたところ、日本養鶏協会のQ&Aにも殻の内側のカビについて載っていました。
(ちなみに日本養鶏協会とは全国の養鶏農家が加入している団体のことで、採卵鶏に関わっている人なら知らない人はいないくらい大きな組織です)
Q. タマゴの殻の内側に黒っぽい斑点がでていますが、食べられるの?
その黒い斑点はゼラチン状の白身で囲まれ、塊になっていませんか。これはカビが生えた状態です。表面はきれいなタマゴでも、内側に黒っぽい斑点が発生することは時にみられますが、食用には不向きなので廃棄してください。
引用元:https://www.jpa.or.jp/hen_egg/qanda04.html
やっぱり!
ゆでてしまっているのでゼラチン状の白身は確認できませんでしたが、カビで間違いなさそうです。
私も旦那も卵にカビが生えているのは初めて見ました。
お店の人に言っても良かったんですが、旦那がもうそのお店では何も食べたくない気分になってしまったようで、何も言うことなく帰りました。
ただ、貴重な体験なのでせっかくならネタにしたいわたくし。
そこで、今日は卵の殻にカビが生える原因を色々調べたり考えたりしてみましたよ。
滅多に経験することはないと思いますが、卵を衛生的に保存するためにもぜひ参考にしてみてください。
殻の内側にカビが生えた過程(考察)
色々調べてみたのですが、ハッキリと原因について書かれている資料は見つけられませんでした。
そこで、卵内にカビが発生した過程と原因を順を追って自分なりに考察してみたいと思います。
①卵の殻表面のわずかなすき間からカビが侵入した
卵の殻の表面は、私たちの目では見えない小さな穴がたくさん開いていて、この構造は多孔質(たこうしつ)と呼ばれています。
そして殻の表面は「クチクラ」という薄い膜(髪の毛のキューティクルと同じ物質です)で覆われており、カビや細菌などの微生物の侵入を防いでいます。
また、卵の内部は基本的に無菌状態で、まれにサルモネラ菌などに感染したニワトリから、数万個に1個程度の確率で菌が卵の中へ移行することがあります。
という訳で、基本的には卵の中はとても清潔に保たれているんですね。
しかしほとんどの養鶏場では、卵を出荷する際に卵の表面をブラシで洗って消毒をするため、この「クチクラ」がはがれてしまいます。
従って、私たちが普段スーパーで買っている卵たちは表面ガラ空き、微生物入り放題な状態なんです。
だからこそ清潔なパックに入れてあるんですよね。
ただし、カビの胞子は大抵どこへ行っても空気中に漂っています。今回の場合、卵のパックの中でなのか、パックから出された後なのかは分かりませんが、どこかのタイミングでカビの胞子がしれっと殻のすき間をぬって侵入したことは間違いなさそうです。
②一定条件あるいは一定期間を経てカビが増殖した
卵の外からカビの胞子が侵入したとはいえ、私たちの目に見えるようなカビの塊がごっそり入った訳ではありません。
小さなカビの胞子が程よい湿気と最高の栄養(たまごの中身そのもの)のもと、続々と増殖していったに違いありません。
学生時代、研究室で菌や細胞を培養していましたが、色々なカビの混入にそれはそれは苦しめられたものです。
おそらく当時の経験でいけば、カビは常温なら1日2日、冷蔵庫なら一週間程度で目に見えるくらいの大きさまで増殖します。
従って、おそらく一般的に考えられるパターンとしては、
- 洗卵・消毒直後にカビの胞子が侵入→1週間程度冷蔵保存していたけどゆっくりとカビが増殖
- 卵を購入後、パックから取り出した後カビ胞子が侵入→買って数日でお客さんに出したけど常温保存だったのであっという間に増殖
のどちらかかなと思います。
ただ、忘れてはいけないあり得なくもないケースがもうひとつだけあります。
それは、「卵を加熱したあと数日間放置した」ケースです。
③卵を加熱すると何が起こるのか?
卵は殻に小さな穴が開いているとはいえ、卵黄の周りは卵白で囲まれています。
卵白には抗菌作用を持つタンパク質が含まれており、仮に菌が侵入したとしても、菌が増殖するのを抑えています。
しかし、卵を茹でて加熱した場合はどうなるでしょうか?
タンパク質は高温で変性し、本来の機能や特徴を失ってしまいます。
お肉を焼いた時にお肉が変色したり、私たちがやけどをしたときにもタンパク質の変性が起きています。
ということは、卵白の抗菌作用も失われてしまうということになります。
また、卵をゆでている間に殻にヒビが入ったりすることもあります。
そう、あっという間にカビや細菌の増殖が始まることはおわかりですね。
という訳で、卵を加熱した後は絶対に放置せず、できるだけ早く食べるようにしましょう。
ゆで卵の場合、どんなに遅くても茹でたその日から2日以内には絶対に食べましょう。
そして保存は絶対に冷蔵庫でしてください。
夏場に常温で放置すると半日で腐ることもありますので、本当に気をつけて下さい。
まとめ
☑鶏卵の殻の内側に黒い斑点があったらおそらくカビなので捨てましょう
☑カビは殻表面のすき間から侵入し、増殖すると考えられる
☑卵を調理したら、出来るだけ早いうちに食べること!冷蔵庫で保存しましょう。
それにしても例のお店、黄身も卵殻膜も少し変な色だったので、ゆでてから放置した可能性もあるかもしれないなぁ…と思うとちょっと怖くなりました。
まだ5月ですが既に真夏並みに暑い日が続いているので、皆さんも家庭での食べ物の衛生管理に気をつけて下さいね。
次回は「正しい新鮮卵の選び方・保存方法」についてご紹介します!
お楽しみに!
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